4月 25, 2020

【プレスリリース】NDC引き上げを求める「デジタル気候マーチ」を開催

報道関係者各位

プレスリリース
2020年4月25日
Fridays For Future 国内有志
グローバル気候マーチ賛同団体国内有志

NDC引き上げを求める「デジタル気候マーチ」を開催

「#気候も危機」Twitterトレンド入りさせ、政府にメッセージ

 

 

  昨日4月24日に日本政府にNDC(温室効果ガス削減目標)引き上げを求め、日本全国の若者が連携し「デジタル気候マーチ」を開催しました。

 

  IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると温度上昇を1.5℃に抑え、温暖化の壊滅的な被害を免れるには、世界全体で2030年までに温室効果ガス排出量を少なくとも45%削減しなければなりません(注1)これを受け、削減目標の低い日本政府に対し、日本の若者はNGO(注2)、企業(注3)、投資家(注4)と共に政府に対し様々な形で声をあげてきました(注5)それにも関わらず日本政府は3月30日に「2030年までの削減目標を26%に据え置く」と発表しました(注6)

 

  一方4月24日にはもともと世界各国で気候変動問題解決に向けての一斉アクションが行われる「グローバル気候マーチ」(注7) が予定されていましたが、COVID-19感染拡大防止のため、日本も含め世界各地で計数百万人規模の参加が見込まれていた様々な街頭アクションが中止となりました。しかし、COVID-19と同じく、気候変動も私たちの生活と命を脅かす「危機」であり、対策は一刻を争います。一つの感染症でこれほど社会が揺さぶられる以上、気候危機で起こりうる異常気象や災害などの連鎖は(注1)、より恐ろしい健康被害や経済へのダメージを引き起こすことが考えられます。

 

  そこで、日本の若者は、全国の若者とオンラインで繋がり、安全と健康に配慮しながら多くの国民を巻き込み、SNS上で気候変動への対策を求める全国一斉オンラインアクションを決行しました。

 

画像1:Twitterのトレンド入り(18:30時点)

 

  事前に様々な賛同団体の協力や独自のネットワークでアクションの情報を拡散し、同日17時に「#気候も危機」のハッシュタグをつけて気候危機に対する思いや日本の温室効果ガス削減目標に対する意見、メッセージの書かれたプラカードを持った写真がSNS上で一斉に発信されました。「#気候も危機」を使ったツイートストームは、開始2時間後の24日19時時点で合計ツイート数6073件に到達、目標としていた日本国内のトレンド入りを達成しました(画像1)。Instagramでは、アクション開始1時間後の24日18時の時点で1200件を超える投稿が見られ、24時時点でも合計1757件の投稿が確認できました(画像2)。

 

画像2:Instagramでも多くの投稿があった(4月24日18時時点)

 

  Fridays For Future Nagoya で活動する中村涼夏さんは「今回のアクションの目的は日本政府に対してパリ協定における国別温室効果ガス排出量削減目標(NDC)の引き上げを求めることでした。これで、多くの人の気候変動対策に対する思いを日本政府に示すことができたと思います。6000件を超えるツイートやSNSでの発信は、日本政府に対してより透明なプロセスのもとNDCの見直しを求める国民の多さを物語っていると言えます。」とコメントしました。

  また、同日にはオンラインで気候変動に関する勉強会、懇親会、映画上映など様々な企画が実行されました。(後半部をご参照ください。)中でも、「デジタル気候マーチ全国中継」では、東北から九州まで21のFridays For Futureから60人のオーガナイザーが集結。それぞれの気候変動問題解決に向けた熱い想いとNDC引き上げの重要性を語り、その中継を300人を超える視聴者が見守りました。

 

 

  この企画の担当をしていたFridays For Future Kyotoの清間笑奈さんは、「COVID-19の拡大によって街頭でのアクションができなかったのは悔しいですが、一方で遠く離れた人と繋がれるオンラインアクションだからこそ、普段はなかなか顔を合わせられない全国のメンバーで集結して熱い想いを語り、相互に刺激を与え合いました。全国の連携が深まりました。」と感想を述べています。

 

 

《注釈》
注1:環境省(2019)「IPCC1.5℃特別報告書の概要」,http://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf(閲覧2020/04/12)
注2:CAN-Japan声明「日本政府に温室効果ガス排出削減目標の引き上げを求めます」(2020/1/23)https://www.can-japan.org/press-release-ja/2665
注3:気候変動イニシアティブ「気候変動対策強化を求める JCI メッセ―ジ」(2020/2/4)※2月20日現在、248メンバー(159企業、25自治体、64その他団体)が同メッセージに賛同しており、企業にはイオン、ソニー、パナソニックなどが、自治体には東京都、神奈川県、長野県、滋賀県、三重県、京都府が含まれている。https://japanclimate.org/news-topics/callforndcenhancement/
注4:気候変動に関するアジア投資家グループ(Asia Investor Group on Climate Change /AIGCC )他「投資家グループが日本の温室効果ガス削減目標引き上げを要請:COP26に向けて圧力が高まる」(2020/2/17)https://www.aigcc.net/wp-content/uploads/2020/02/170220_Media-Release_Japan-NDC_JAPANESE.pdf
注5:Fridays For Future Tokyo声明「温室効果ガス排出削減数値目標の引き上げを求めます」(2020/3/27) http://alternas.jp/study/global/79739
注6: 鈴木理之(2020)「温室効果ガス、削減目標据え置き 政府決定、「13年比26%減」」, 『毎日新聞』(3月30日21時14分),https://mainichi.jp/articles/20200330/k00/00m/040/212000c (閲覧 2020/04)
注7: グローバル気候マーチ「もっと知ろう」
https://ja.globalclimatestrike.net/history/ 

 

 


◆ 連絡先

担当者 :中村涼夏(FFF名古屋・鹿児島)
e-mail :contact@fridaysforfuture.jp
HP  :https://ja.globalclimatestrike.net/

 


 

当日アクション主催者感想

 

デジタル気候マーチ全国同時中継開催

デジタル気候マーチ開催にあたり、24日18時半から全国各地21箇所のFridays For Futureメンバーをzoomで繋ぎ60人弱のオーガナイザーが参加した全国中継を行いました。

今回の目的である、政府に対してパリ協定の国別排出量削減目標(NDC)の引き上げを求める理由の解説を全体で共有しました。石炭火力発電建設計画への訴訟、市長選での候補者インタビューなど各地域が取り組んでいるプロジェクトを紹介しました。その後、本当は路上で行うはずであったコールをオンラインで行い、全国各地のメンバーの思いは一つであることを今一度確認しました。COVID-19の拡大によって街頭でのアクションができなかったのは悔しいというコメントもありましたが、一方で遠く離れた人と繋がれるオンラインアクションだからこそ、全国の連携強化が促されました。(担当者 清間笑奈 fridaysforfuturekyoto@gmail.com

 

デジタル気候マーチ in 金沢

Fridays For Future Kanazawaが企画。全国統一のハッシュタグ「#気候も危機」と共に、金沢独自のハッシュタグ「#未来は変えられる」をSNSで投稿するよう呼びかけました。(担当者 長谷川日奈 fridaysforfuturekanazawa@gmail.com

 

デジタル気候マーチ静岡

事前に写真募集フォームを作成し、気候変動に関するメッセージの書かれたプラカードを持っている写真を送ってもらい、ツイートストームでSNSで一斉投稿しました。自分のアカウントでは投稿しない人も巻き込み、127の写真を集め、投稿することができました。(担当者 神澤清 kan2chan2.0310@icloud.com

 

つなげ地球愛、お家アクションキャンペーン in 大阪

Fridays For Future Osakaが企画。自分が取り組んだ「地球にやさしいお家アクション #StayHome 」を発信するよう、呼びかけました。結果11人が参加、職場で広めると言う人もおり、さらに多くの人にインパクトを与えたのと同時に、気候変動に取り組む個人個人が繋がる機会になりました。(担当者 小林誠道 k406980@kansai-u.ac.jp

 

グローバル気候マーチ 大宰府宣言 

Fridays For Future Dazaihu が気候変動と社会について声明文を発表しました。(担当者 高田陽平

 

デジタルストライキ on Instagram

グローバル気候マーチ熊本が企画。白紙の紙を持っている写真を投稿してもらい、それらに文字を合成してメッセージを作成しました。(担当者 富永あゆみ gkmkumamoto@gmail.com

 

映画Signs from Nature

350が気候変動を肌で体験している日本各地の人々について描いた映画「Signs from Nature」を一日限定で無料公開しました。再生回数は1000回を上回り、多くの方が気候変動について会話をするきっかけになれたのではないかと思っています。(担当者 荒尾日南子 hinako.arao@350.org)

 

FFF関東オンラインミーティング

Fridays For Future Tokyo , Saitama, Chiba , Yokosukaが企画。関東のFridays For Futureとその活動に関心を持った、幅広い世代の人がZoom上で繋がり、バナーづくりなどのアクションをしました。17時には全員でツイートストームを行いました。(担当者 酒井功雄 successhero0127@gmail.com

 

オンライン気候サミットin九州

Fridays For Future Fukuoka, Dazaifu, Nagasaki, Oita, Kagoshimaが企画。九州のFridays For FutureがZoom上で集まり、各地の活動の紹介、一斉ツイートやトレンド入りの様子を実況しました。また、鹿児島市役所環境局員をゲストに招いて、質疑応答をしました。Zoomの仮想背景に、プラカードを持った写真を敷き詰めた画像を使うなどオンラインならではの試みも行いました。(担当者 谷口凛太朗 rintabi58@gmail.com

 

FFF関西オンラインイベント

Fridays For Future Kyoto, Kobe, Shiga, Osakaが企画。関西のFFFが集結し、グローバル気候マーチや「日本のNDCが不十分なのか」を説明しました。ツイートストームの呼びかけをするのと同時に、なぜ各地の活動や気候変動問題に関わるようになったきっかけを共有し、次のアクションに向けてつながりを深めるきっかけを作りました。(担当者 野々山千晴 fridaysforfuturekyoto@gmail.com)

 

FFF東北オンラインイベント

Fridays For Future Iwate, Yamagata, Sendai, KoriyamaがZoom上で交流しました、自分がなぜ立ち上がったか、どんな活動をしているかなどを共有し、東北内部での結束を強める事ができました。今後は山形や郡山などとも連携を深めていきます。(担当者 時任晴央 haru.130161@gmail.com

 

FFF東海~アクションへの一歩を踏み出そう!~

Fridays For Future NagoyaとShizuokaによって気候アクションへの第一歩を踏み出したい人を対象にInstagram live上で配信が行われました。Fridays For Future Nagoyaが愛知を中心に海洋プラスチックでできたアクセサリーを作成しているSobolonとコラボレーションした後、Fridays For Future Shizuokaが合流し、気候変動解決に向けて一歩をなかなか踏み出すことができない人のために、各メンバーが気候アクションのきっかけを共有しました。(担当者 牧野奈那子 fffnagoya@gmail.com)

ドローダウン・イニシアティブ:地球温暖化逆転のための100の方策ワークショップ~

NPO法人セブン・ジェネレーションズとNPO法人トランジション・ジャパンの共催で「地球温暖化を逆転させる100の方策『プロジェクト・ドローダウン』」の概要を紹介するワークショップを、24日20時からオンラインで開催しました。Drawdown for Japaneseチームの2人のファシリテーターのもと、世界各国から30名を超える方が参加されました。

今回、グローバル気候マーチを通して、つながる仲間が増えて嬉しく思っています。ドローダウンのメッセージのひとつに「地球温暖化は戦う相手ではなく、地球から私たちへの大切なフィードバックである」というものがあります。参加者の方から「いま私たちに起こっていることも同じだ」というコメントがあり、本当に今は、私たちが意識を変え、生き方を変える大切な機会なのだと改めて感じています。これを機に、一層活動が広がり、世界が変容していくことを願ってやみません。

(担当者 関谷朱桜実 info@sevengenerations.or.jp