日本国内21都道府県で11月29日に行われる「グローバル気候マーチ(Global Climate Strike)」まで日が迫ってきました。

グローバル気候マーチでは、世界中の数百万の人々が一斉に気候非常事態に警鐘を鳴らし、科学的データに基づいた公平な気候変動対策を各国政府に求めます。これは、気候対策を求めるムーブメントが世界規模で拡大していることを各国の政府やリーダーたちに知らしめる、重要な機会だと私たちは考えています。

関西では大阪、京都、神戸の3都市でグローバル気候マーチが実施されるのを前に、11月26日、マーチを企画している関西の若者の有志代表が大阪府政記者クラブにて記者会見を行いました。この記事では会見での発言と共に、私たちの声を紹介していきます。

 

9月のグローバル気候マーチでは日本全国で5000人もの市民が立ち上がりました。2019年2月、国会議事堂前、日本で初めての気候ストライキが開催されてから半年で、そのムーブメントは着実に全国に拡がっていきました。京都では3月と5月にグローバル気候ストライキを、大阪ではG20大阪サミット前に気候ストライキが開催されてきましたが、未だに国や自治体の掲げる気候変動対策は不十分であるゆえ、COP25前に若者は再び全市民に参加を呼びかけマーチを開催するのです。

なぜ私たち若者は気候マーチを開催するのでしょうか。そしてこの場に集まる個人はどのような想いで運動に携わっているのでしょうか。

 

 

小林誠道(19)は、「日本や世界の若者にとって、異常気象はもはや日常の出来事になりつつあります。私は年々増加する自然災害による被害が留まることを知らない現状を危惧しています。今変わらねば、いつこの状態を変えられるのか。私達は今こそ変わらなければなりません。」

「若者達は自分たちの未来を守るために、立ち上がらざるをえない状況に置かれています。そういった状況をこのマーチを知らない人には認識してほしいと思う。世界はこのアクションによって着実に変化しており、日本も今こそ『変わる』べきでしょう。」と述べました。

 

今回のマーチでは私たち若者は3つの目標を掲げています。

 

 

まず、マーチを通じて気候変動や温暖化が危機的な状況にあることを、行政や市民に定着させること。次に、その影響を強く受けるのが途上国に住む貧しい人や将来世代でありその不公平さを変えるため、気候正義の概念を広め訴えること。最後に、政府や地方自治体に具体的で中身のある対策を採らせること、例えば気候非常事態宣言の宣言を目指すことです。

 

 

清間笑奈(23)は、「私たち若者は、マーチを行うことで『現状維持や、何もしないなんて許されない』という意思を、まず伝えること、そしてその後もマーチを継続させることで、気候科学と気候正義に沿った対策を講じるよう、各国政府に働きかけていきます。前回のマーチ後に行われた国連気候サミットでは、多くの国からCO2削減目標に基づいた、具体的対策案が発表されました。しかし、これらの対策案はパリ協定の1.5度目標にとても到達できるものではありませんでした。」

「そのため、COP25直前でもある今回のマーチでは、各国の政府に対し、パリ協定1.5度目標に整合した削減目標と具体的対策が必要であること、また日本政府の様に具体的な気候変動対策がないために国連気候サミットにおいて発言を許されなかった国々のリーダーに早急に対策案を作ること、この二つを求めていきます。」と述べました。

 

前回9月に開催されたグローバル気候マーチは、世界的にも多くの市民を動員した歴史的な運動になったと位置付けています。欧州などと比べると、今後より運動が拡大する可能性を秘めていると考えられますが、企画している若者たちはその点についてどう考えているのでしょう。

 

 

今井絵里菜(23)は、「前回のグローバル気候マーチでは、グレタさんのスピーチをきっかけに気候ストライキの活動に関心を持って、マーチへの参加を決めたという人もいました。Fridays For Futureやグローバル気候マーチは、世界共通で若者・市民が気候変動問題に対して行動を起こす場の機能を果たしており、それを入り口として次は自分たちの地域の政策や課題を知り、行動を起こしていけたらいい。」

「また、そのような入り口の役割を果たすため、グローバル気候マーチに多くの人が参加してもらうために、子どもも参加しやすいような楽しい雰囲気を醸成していくため、マーチ中に踊りや歌を取り入れる工夫をしている。」と述べました。

 

私たち若者世代は、自分たちに課された気候非常事態と私たちの未来を変えるべく11月29日、世代を超えた多くの仲間とともに、再度、私たちの思いを行動で示します。

 

 

 

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